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【心の旅(フィクション)】 怒りと憎しみを手放せない男

くじらの潜水艦がなかなか来ないから一週間も浜辺で待ち続けているという男性と出会いました。
背中に何か紙が貼っていました。

『怒りと憎しみを手放せない男』

と、紙には書いてありました。
なるほど話してみると嫌いな上司への怒り憎しみを延々と話し続けます。彼と話した誰かがイタズラで貼っていったのでしょう。

「あなたはよっぽどその上司さんのことが大切なんですね~」

「な・・なにを言うんだあんた!大切なわけないだろ!あんなやつ!」

「だってその上司さんのいないときでもあなたは上司さんの為に自分の時間を使っていますよね。延々と上司さんのことを想い続けているなんて凄いですよ。自分の家族だとしても延々と想い続けることは難しいものですよ」

「そう言われると確かに妙な気分だ。あんなやつの為に俺は自分の大切な時間を無駄に使っていたのか・・・・」

「かつては僕もそうでした。怒りと憎しみを手放せなかったがためにどれだけの時間を無駄にしたか。しかも怒りと憎しみの感情に支配されていると良くないことがどんどん起きるし体も不調がどんどん出てきて大変でした。今はそういった無駄な時間をなくして、そのぶん自分の好きなことが出来るようになりました」

「確かにそうだな!いい事聞いた。恩にきるよ」

それから彼は目を輝かせながら自分の夢を語ってくれました。もうまるで別人です。

僕はそっと背中の紙をはがしておきました。

「なんだ、こんなとこにいたのかい」

背後から聞き慣れた声がしました。
こ、この声は・・・あっ、フクロウおばさんだ。

「遅いじゃないか、くじらの潜水艦~」

「えええええええええええええええっ!!くじらの潜水艦ってフクロウおばさんですか!?」

フクロウおばさんは彼をおんぶして海へ入っていきます・・・・。

「ほっほっほっ。あたしのことを理解するにはまだ2年早いよ」

「2年でわかるんですか・・・はやっ・・・」

彼と話せたことで怒りと憎しみを手放した幸せを改めて実感することができました。
怒りと憎しみを手放せなかった男さん、ありがとう!

【心の旅(フィクション)】 開かれた門

穏やかな光がさしこむ自宅の一室で僕は物思いにふけっていました。レイキはとても良いものだけど邪気に敏感な人にとっては邪気対策ができなければ諸刃の剣にもなってしまう・・・実際にレイキに関わって苦しんでいる人に少しでも多く気付いて欲しいな・・・・と。

「5時のニュースです。まずはお天気から」

あれ?テレビもラジオもつけてないはずなのに・・・・っていうか、この声・・・・あっ、フクロウおばさんだ。

「宅志くんの心は曇りでしょう」

「あ、あの・・・なんで人の家でお天気お姉さんごっこ・・あ、いや、お天気おばさんごっこしてるんですかっ!」

「わざわざ訂正しなくてもよかろうに・・・お姉さんでよかろうに・・・・」

「・・・・・・・・」

「・・・・・・・・」

「た、確かに今僕の心は雲っていますよ。レイキと関わって苦しみ僕に相談してくる人は苦しんでいる人全体のほんの一部でしかないと思います。こんな地方で細々とレイキを実践している人間がブログで一生懸命主張しても見る人はほんのわずかでしょうし見ても信じる人はさらにほんのわずかだと思います。もっとたくさんの人に真実を知ってもらいたいんです」

「なんだ、そんなことかい。あんたはわかってないねぇ。人生は苦しまなければいいってもんじゃないんだよ。苦しんだとしてもそれは本人にとって必要な苦しみなんだよ。苦しんであんたのブログを見つけ苦しみから解放されたとしたら苦しみから解放される時期が来ていたってだけのことさ。時期が来たからあんたのブログを必然的に見つけるのさ。時期が来ていなければブログを読んでも何も感じないものさ。人にはそれぞれ役割があるのさ。たとえ邪気のことを知らずにアチューンメントで人に邪気を流してしまうマスターであっても、それは苦しみを与えるという辛い役割をこなしているだけなんだよ」

「た、確かにそれは辛い役割ですね・・・・」

「あんたはただ苦しみから解放される時期が来た者を受け入れる門を開いて待っていればいいんだよ。そうすれば今まで通り必要な者はあんたのもとを訪れるだろうさ」

「なんだか胸につかえていたものがとれてスッキリしました。曇りのち日本晴れです!ありがとうございます!・・・・あれ・・・いつもならここで消えるパターンですが今日は消えませんね?」

「お天気お姉さんと呼んでくれるまで消えないよ・・・・・・・・」

「なにダダこねてるんですか・・・・」

「・・・・・・・・・」

「・・・・・・・・・」

と、とりあえずフクロウおばさん今日もありがとうでしたっ!

そばにいるだけで

赤ちゃんを欲しがっている女性に1歳の次男を渡してしまう夢を見ました。

夢の中の法律?のようなもので僕にはどうすることもできなくて「次男を返してください」と言っても女性は拒否します。

とても寂しく悲しい気持ちなっているときに目が覚めました。横で寝息をたてている次男を確認してホッと一息。

「そばにいるだけでいいのさ、親心だねぇ」

聞き覚えのある声が・・・。あっ、フクロウおばさんだ。

「って、なんで僕の布団で一緒に寝てるんですかっ!」

「ほっほっほっ、あったまったじゃろ」

と、ここで目が覚めました。今のも夢だったのか・・・・
改めて横で寝息をたてている次男を確認してホッと一息。

最初は子どもが欲しい、生まれてくれさえすればいいと思っていたのに、いざ生まれてしまうと躾の範囲をこえて子どもに色んなことを求めたりしてしまいがちですね。

フクロウおばさんありがとう!

今日はとてもそばにいるだけで子どもたちがいとおしいです。

生まれてきてくれてありがとう。

選択権は自分にある

ある世界で真剣な面持ちで考え事をしている男性と出会いました。

「なにか悩み事ですか?」

「A子という女性を俺は1ヶ月観察し続けてきた」

「あぁ、ストーカーですね?」

「ちがう!A子は最近ある男性にフラれて自殺未遂をしたんだ」

「それは心配ですね」

「俺はB子という女性も1ヶ月観察を続けている」

「同時に二人にストーキングですかっ!?」

「ちがうっ!B子も実は同じ男性にフラれたんだ」

「罪な男性がいるものですねぇ」

「A子と違いB子は落ち込む様子もなく毎日楽しそうに過ごしている。この二人の違いは何なのか考えていたんだよ」

「確かに同じ出来事を体験しても人の反応は本当に様々ですよね。どうしてなんでしょうね」

「そんなの簡単なことだよ・・・」

き、聞き覚えのあるこの声・・・。あっ、フクロウおばさんだ。

「物事に意味を与えるのは常に自分なんだよ。同じ出来事が起こってもそれに良い意味を与えるか悪い意味を与えるかの選択権は自分にあるんだよ。悪い意味を与えてしまう癖のある人は人生苦労するだろうねぇ」

ある女性がこっちに向かって走って来ました。

「フリオさん!この前はふられちゃいましたけど私あきらめてませんからっ!フリオさんにふられたことで自分をしっかり見つめなおすことが出来ました。私、もっといいオンナになってまた告白しますから待っててくださいね♪」

そう告げると女性は走り去っていきました。

「B子・・・・」

「ええっ!今のがB子さん?じゃあ、ふったのはあなただったんですか?」

「ああ。今のB子・・輝いてたな。今のB子なら・・・俺のほうから告白してみるかな。まああと1ヶ月程、観察してみるかな」

「結局ストーキングですかっ!!」

そういえばフクロウおばさんは?もういない・・・でもフクロウおばさんの言ったことよくわかります!人を悪人と判断するのも善人と判断するのもその人の自由。今の世の中に希望を感じるのも絶望を感じるのもその人の自由。今現在を幸せと感じるのも不幸と感じるのもその人の自由。幸せとは自分自身で作り上げるものなんですね。フクロウおばさん、ありがとう!安っぽい人生劇場を見せてくれたフリオさん、ありがとう!怪しげブログを読んでくださってる皆さん、ありがとう!

【心の旅(フィクション)】 認めて誉めて

保育園へ行くと他の園児たちも無邪気に僕に話しかけてきます。

みんな目を輝かせながら自分の自慢するものを見せてくれます。

こんなことが出来るんだよ~! こんなのも出来るよ~♪

ってな具合です。すごいね~!と言って誉めると凄く喜びます。子供はかわいいです。
しばらく子供たちとのやりとりを楽しんでいると初めて見る保育士さんが僕のほうへ近づいてきました。あれ・・・どこかで見たような・・・・。あっ、フクロウおばさんだ。

「保育士さんのエプロンを着て何してるんですか・・・」
「私の変装をよく見破ったね・・・」
「・・・・・・・」
「・・・・・・・」

「あなたが来たということは何かを僕に教えたいんですよね?」
「よくわかってるじゃないの。子供は自分を認めて誉めてもらうと喜ぶんだよ。子供のときにその欲求を満たせなかった子は大人になっても過剰に自分を認めてもらおうとジタバタしてしまう。あんたの周りに自分の自慢ばかりしている人がいたら邪険に接してはいけないよ。全ての人は必要な存在だということを教えて認めて誉めてあげるんだよ」

そう言うと、保育士エプロンを外し僕に着せてからフクロウおばさんは去っていきました。

またいいことを教えてもらった。フクロウおばさんありがとう!

もちろん子供たちもたくさん誉めて、かわいい笑顔に包まれながら僕は生きていきます!

熱くなっている僕のハートとは裏腹に、保育士エプロンを着用しガッツポーズをしている僕を見る保育士さんたちの視線は冷たかったです。

【心の旅(フィクション)】 滅ぼすべきは

長男を迎えに保育園へ行くと、他の園児たちが喧嘩をしていました。

A君:「なにするんだよ!お前なんかバカだ!」

B君:「バカって言った人がバカなんだよ!」

B君がA君を殴るとA君は泣いてしまいました。
それをC君とD君が見ていました。

C君:「A君を泣かせるなんてB君は悪い人だね!」

D君:「そうだね僕たちは正義の味方だからB君をやっつけよう!」

C君とD君は二人がかりでB君を殴り、B君を泣かせてしまいました。

C君:「ざまーみろ!悪い奴はこうなるんだよ!」

それをE君が見ていました。

E君:「二人がかりでいじめるなんて・・・あんな悪い奴らは、こらしめてやる!」

E君は非道な二人に罰を与えようと、F君とG君を呼びにいきました。

それを見ていた僕はとても嫌な気持ちになりました。
終わらない・・・なんだこの世界・・。でもこの世界を僕はよく知っている・・・。

「よく気付いたね」

背後から聞き覚えのある声がしました。あっ、フクロウおばさんだ。

「これは大人の世界と同じだよ。正義感を持って悪人を滅ぼしたとしても、また別の人から見たら今度は自分が悪人なのさ。滅ぼすべきは悪であって悪人ではないんだよ」

「本当にそうですね・・・わかっていても難しいけど、それが出来たら戦争なんてなくなりますね。フクロウおばさん、ありが・・・」

ありがとうを言う前にフクロウおばさんは目の前から消えていました。

子供番組でも正義の味方は悪人をせっせと退治しています。僕も子供の頃はヒーローものが大好きでした。ですがやはり子供なりに娯楽として楽しく見ていたレベルです。どこかで意識のズレてしまった子供が「悪人は倒さなければならない」「悪い奴は死んでもいい」などと洗脳に近い影響を受けてしまって狂気に満ちた犯罪を犯すケースがあるのもまた事実だと思います。ですが僕は子供に夢を与えるヒーロー番組は好きです。うちの長男も夢中です。親が上手に、滅ぼすべきは悪であって悪人ではないということを伝えていけたらいいですね。

【心の旅(フィクション)】 本当の愛

ある男性と出会いました。

「俺は、あの子に高価な指輪をあげたのに俺には何もくれない」

「そうですか」

「俺は、あの子のために必死に時間を作っているのに、あの子は忙しい忙しいばかり」

「そうなんですか」

「こんなに愛しているのに俺の愛は届かない・・・どうしたら振り向いて俺を好きになってくれるんだろう」

「むずかしいですね・・・」

横のベンチに座っていたおばさんがこっちに来ました。見覚えのあるおばさんです。あっ、フクロウおばさんだ。

「見返りを求めてるうちは本当の愛とは呼べないよ」

そう言い去っていきました。

深いなあフクロウおばさん。

【心の旅(フィクション)】 気まぐれ

さっきまで晴れていたのに突然の雨に見舞われ雨宿り。

足元に何かが擦り寄ってきました。

同じように雨宿りをしにきたノラ猫が甘えてきたのです。

「雨がやむまでの間だけの仲間だね」

即席の友情に満足する僕。

プイッと顔をそむけ

突然豪雨の中を走り去る猫。

そんなもんだよなぁ・・・

気まぐれですね、天気も猫も。

【心の旅(フィクション)】 完璧主義者の死

はじめて人を好きになったのは
  はじめて人から好かれたとき

はじめて人にプレゼントをあげたのは
  はじめて人からプレゼントをもらったとき

はじめて人を憎いと思ったのは
  はじめて人から憎まれたとき

はじめて人を殺したいと思ったのは
  はじめて人に殺されそうになったとき

と語る人と出会いました。

「私を殺してください。私を止めるために殺してください。死んだあとならあなたを殺せませんから」

その人はそんなことを言いナイフをさしだしました。

「すみませんが僕はあなたに全く興味がありません」

「そう言われると私もあなたに興味がなくなりました」

「それでいいんです」

僕はその場を立ち去りました。

しばらくするとライフルを持った男の人に出会いました。

「あんたがあいつを殺さなかったおかげで俺もあんたを殺さなくてすんだぜ」

「え?」

なるほど・・・自分を殺した人を間接的に殺すつもりだったんですね。完璧主義者だったのでしょうか。

「あ、あの人また別の人と話をしてますよ。ライフルの準備しないといけないですね」

「おっと、あんた気が利くな」

「いえいえ、それではさようなら」

興味がなかったので僕はその場を離れました。

しばらくしてから一発の銃声が完璧主義者の終わりを告げました。

【心の旅(フィクション)】 コソ泥の恋

特別変わったところのない普通っぽい世界へたどり着きました。
そこでは、ある男女が話をしていました。
やがて話が終わったらしく二人は別れ、男性の方がションボリしながらこちらへ歩いてきました。

「はあ、今日もあの子を口説くことができなかった・・・」

「今日もってことはずっとアタックしているんですね」

「俺の職業が泥棒ってのがいけないんだろうなあ」

「ど、泥棒なんですか?」

「そうさ好きな女のハートも盗めない小さなコソ泥さ」

「いいえ、あなたは見事に奪っていましたよ」

「え!?」

「彼女の笑顔をね」

「あんた・・・キツイなぁ・・・・」

「泥棒なんかやめて彼女のハートの放火犯になってくださいね」

「・・・・・・・・・・」


嫌な空気を作り上げ、この世界を後にしました。