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太郎と次郎と花子 1 ~希望~

太郎と次郎と花子の三人は幼なじみで大の仲良しだった。

三人とも大人になり、それぞれ25歳になっていた。
久しぶりに三人は会うことになり思い出話に花が咲き楽しい時間をすごした。

みんな大笑いしていたが急に太郎が真顔になり、しゃべりだした。

「お前ら人生に満足してるか?・・・俺は満足してない」

いきなりの太郎の発言に次郎と花子は困惑した。

「何よ急に・・・そりゃ私だって満足はしてないけど・・・」

「僕も毎日が退屈だよ・・・」

花子と次郎が答えた。

「そうだろ?過去に戻ってみたいとか思わないか?」

「タイムマシーンとか?なんだか漫画みたいね、あはは」

「僕、そんな話好きだよ!過去に戻れたら、ああしたいこうしたいってよく考えるよ!」

話に盛り上がろうとする次郎と花子を止めるように太郎がしゃべりだした。

「漫画とか夢とかじゃ・・ないかもしれないんだ・・・・・」

「え?どうゆうこと?」

「実は俺、実際に起こることを夢で見ることがあるんだ・・・」

「ああ予知夢だね、僕知ってるよ」

「今まではどうでもいい内容の予知夢だったんだが、昨夜見た夢はすごかったんだ・・・」

あまりに太郎が真剣に話すので次郎と花子も興味がわいてきた。

「ど、どんな夢だったの?」

「聞いて驚くなよ・・・」

「もったいぶらないでよ~」

「過去に戻れる方法がわかったんだ。儀式ってやつが」

「・・・・・・・・・・・・」

しばしの沈黙。

「まさかぁ、ただの夢だよ。過去に戻れるわけないじゃん」

花子は全く信じない。

「いや、でも本当だったらすごいよ!僕、過去に戻りたいよ!」

次郎はまんざらでもないらしい。

「今までの経験上、これは予知夢だなってわかるんだ。その儀式を行って過去に戻った瞬間に目が覚めたんだ」

「・・・・・・・」

「信じる信じないは勝手だ。もし俺を信じ過去に戻りたいと思うんだったら今夜の12時に心の中で過去に戻りたい!って強く念じていてくれればいい。それだけだ・・・俺が儀式を行いお前たちも一緒に過去につれていってやるよ」

「うーん、まだ半信半疑だけど私も過去に戻りたいからやってみる!」

「僕もだよ!12時に念じとけばいいんだね!」

「そういうことだ。今度会うときは過去の世界だ」

三人はそれぞれの思惑を胸に別れた。

(つづく)

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